
保育士の休日出勤が多い保育園を、求人情報や見学時に見抜くにはどうすれば良いですか?

休日出勤が多い園を見抜くには、求人票の「年間休日数」と「振替休日制度」の確認に加え、見学時に「行事の頻度」と「職員の休憩・残業の実態」を具体的に質問することが重要です。
「年間休日105日以下」や「土曜出勤の多さ」は要注意なサインです。
求人票から「休日出勤の多さ」を推測する3つのチェック項目
休日出勤は、求人票にストレートに「多い」と書かれることはありません。しかし、いくつかの項目を詳しくチェックすることで、その傾向を推測できます。
- 年間休日数をチェックする
保育士の年間休日は、平均で115日〜120日程度が目安です。
年間休日が105日以下の場合: これは週休2日(104日)に満たないことを示唆しており、行事などで多くの休日出勤や土曜出勤が常態化している可能性が高いです。
「土日祝休み」とあっても年間休日が少ない場合: 祝日や夏季・年末年始休暇が非常に少ないか、土曜出勤をしても振替休日が取得できていない可能性があります。
- 土曜出勤の頻度と振替休日制度を確認する
「土曜出勤:月1~2回程度」と記載があっても、「振替休日・代休なし」となっている場合は要注意です。休日出勤手当の支給のみで、代わりの休みが取れず、実質的な年間休日が減ります。
「振替休日取得率100%」と具体的に書かれている園は、制度が機能している可能性が高いです。
- 行事の頻度に関する記載を確認する
求人情報や園のホームページに「運動会や発表会は土曜・日曜日に実施」と明記されている園は、休日出勤が避けられません。特に、「大規模な行事が年間に多く開催される」ことを謳っている園は、準備のための出勤も増える傾向があります。
園見学・面接で「実態」を聞き出す具体的な質問
求人票の情報だけでは見抜けない「休日出勤の実態」は、園見学や面接時に具体的な質問をすることで明らかになります。
- 行事に伴う休日出勤の扱いについて質問する
「年間で休日出勤はどのくらいありますか?」と直接的に聞く代わりに、以下のように質問しましょう。
「運動会や発表会で休日出勤した場合、振替休日や代休は必ず取得できますか?その消化率はどれくらいですか?」
「振替休日は、行事後すぐに取得するルールですか?それとも自由に取得できるのでしょうか?」(すぐ取得できる仕組みがある方が、消化しやすい)
- 土曜出勤時の業務内容と人員体制を聞く
「土曜日の勤務は主に何名の職員で行っていますか?土曜日もクラス担任が担当するのでしょうか?」(少ない人数で業務が回っている場合、負担が大きくなりがちです。)
「土曜出勤は通常何時までの勤務ですか?土曜日も残業が発生することはありますか?」(土曜は午前中までと決められている園のほうが、身体的な負担が少ないです。)
- 「暗黙のルール」がないかを探る
休日出勤の「暗黙のルール」がないか、職員の様子から推測することも大切です。
園見学の際、土曜日の保育の様子を見せてもらい、職員が疲弊していないか、子どもの数が少ない中で無理な保育をしていないかを確認します。
面接時、「お休みの日も行事の準備などで出勤されている先生はいらっしゃいますか?」と、自発的な出勤(サービス出勤)の有無を確認するニュアンスで質問してみるのも有効です。
ライフステージの変化を見据えた「休日」の重要性
休日出勤が多い環境で働くことは、あなた自身の心身の健康や、将来のライフステージに大きな影響を与えます。
疲労の蓄積と保育の質の低下
休日がしっかりとれない状態が続くと、疲労が蓄積し、結果として日々の保育の質にも影響が出てしまいます。特に保育士の仕事は、子どもたちと接する上で心のゆとりが欠かせません。休日が保障されている園は、結果的に保育の質が高い傾向があります。
プライベートや家庭との両立の難しさ
ご自身が結婚や出産を経て子育てをする際、パートナーの仕事が土日休みである場合、休日出勤が多い園では家族との時間が確保しづらくなります。また、短時間勤務や子育てとの両立を希望する際に、「人手がないから休めない」という状況になりやすいのも、休日出勤が多い園の特徴です。
「休む権利」を当然とする園を選ぶ
転職活動は、あなたの「休む権利」が正当に守られる園を選ぶための大切なプロセスです。休日出勤が発生しても、その後に必ず「振替休日」として休みが取れ、リフレッシュできる仕組みがある園を選ぶことが、あなたが長く保育士として輝き続けるための土台となります。