
保育園の「定時退勤できます」は本当か、見抜くにはどうしたらいいですか?

求人票の文言だけで判断せず、面接での質問や園見学、現場職員の声から実態を確認することが大切です。
業務分担や残業の仕組みも見極めのカギです。
定時退勤が「理想」から「現実」になるには
「定時退勤できます」とうたう求人は増えています。働き方改革や保育士の離職防止のため、残業削減に取り組む園も少なくありません。
しかし保育の現場では、保育以外にも書類作成、会議、保護者対応、行事準備など、多くの業務があり、定時退勤が実現できるかは園の運営体制に大きく左右されます。
実際には「定時退勤できる日もあるが、行事前は残業が多い」「早番の日は早く帰れるけど、遅番だと残業になる」など、ケースバイケースなことがほとんどです。
だからこそ、「定時退勤できるかどうか」は、求人票の文言だけではなく、現場の実態を見極める必要があります。
見抜くための質問・チェックポイント
面接時には「定時退勤できるとき、できないときの割合」や「残業が発生する具体的な理由」をたずねましょう。たとえば「月にどのくらい残業がありますか?」といった質問が効果的です。
また、「残業手当は出るか」「持ち帰り仕事の有無」「行事前の残業体制」など、聞きにくい点も丁寧に確認しましょう。質問を通じて、園側の説明に一貫性があるかどうかもチェックポイントです。
園見学の際は、職員が遅くまで残っていないか、スケジュールボードに残業が前提となっていないかなど、現場の雰囲気を観察することも大切です。
また、口コミサイトやSNSなどで「本当に定時で帰れているか」という声を調べるのも有効です。
定時退勤がしやすい園の特徴とは
定時退勤を実現している園には、いくつか共通点があります。まず、職員数が適切に確保されていること。人手不足だと、どうしても一人あたりの負担が増えて残業につながります。
次に、業務分担が明確で、書類や行事準備が勤務時間内に収まるようスケジュール管理されていることもポイントです。ICT導入などで効率化を進めている園も注目です。
また、園長や主任が「無理せず早く帰ってね」と日常的に声をかけてくれるような風土も、定時退勤しやすい職場づくりには欠かせません。
制度があるだけではなく、実際にそれが職員全体に浸透しているかどうかが、働きやすさの分かれ目になります。
自分に合った働き方を見つけるために
「定時退勤できます」という言葉に惹かれても、実際に働き始めてからギャップに苦しむのは避けたいものです。だからこそ、事前の情報収集がとても大切です。
自分の働き方の優先順位――たとえば「プライベート時間を大切にしたい」「仕事はきっちり終わらせたい」などを明確にすることで、園選びの軸もはっきりしてきます。
もし、今の職場で残業が多くてつらいと感じているなら、改善を園に提案したり、働き方を見直したりするのも一つの方法です。それでも難しい場合は、他の園への転職も前向きな選択と言えます。
大切なのは、自分を犠牲にしすぎず、納得できる環境で働くこと。「定時で帰れる」は、あなたの働き方を支える大切なキーワードです。