
70歳を超えても保育士として働くことは可能ですか?
また、働く場合のメリット・デメリットは何でしょうか?

はい、保育士資格に年齢制限はないため、70歳を超えても働くことは十分に可能です。
多くの園では定年後も再雇用制度があり、特に人手不足からベテランの経験が求められています。
メリットは豊富な経験を活かせること、デメリットは体力的な負担と正規雇用が少ないことによる待遇面での制約です。
資格に定年なし!70歳代の保育士が求められる背景
保育士の資格は国家資格であり、何歳まで有効という期限は設定されていません。そのため、公立園の公務員としての定年(段階的に65歳へ引き上げ中)や、私立園の定年(60歳~65歳)を超えた後でも、再雇用制度やパート・アルバイトといった形で働くことが可能です。
現代の保育現場は慢性的な人手不足であり、特に即戦力となる実務経験者が非常に求められています。70歳代のベテラン保育士さんは、これまでの豊富な保育経験や子育て経験を活かせる貴重な人材として歓迎される傾向にあります。
意外な視点ですが、若い世代にはない「人生経験からくる包容力と落ち着き」は、子どもたちに安心感を与え、保護者への丁寧な対応にもつながります。これが、シニア保育士の大きな強みとして園から評価される理由の一つです。
70歳を超えても「まだまだ現役で働きたい」という前向きな意欲は、社会からも園からも必要とされています。働く場所を選ぶ際には、年齢を気にせず、ご自身の経験を活かせる求人を探すメリットがあります。
待遇と働き方!パート・アルバイトで無理なく活躍
70歳代で働く場合、多くは定年後の「再雇用」や「パート・アルバイト」といった非正規雇用となります。この働き方は、フルタイムの正職員と比べて給与や賞与といった待遇面では下がる可能性がありますが、ご自身のペースで働けるというメリットがあります。
メリットとして、時間や日数を限定して働くことで、体力的な負担を軽減できます。例えば、午前中の短時間勤務や、担任を持たないフリー保育士、保育補助業務などに特化することで、無理なく仕事を続けることが可能です。
待遇面で注意したいのは、非正規雇用の場合、社会保険の加入条件や年金との兼ね合いを考慮する必要がある点です。働く時間数によっては保険への加入義務が生じるため、事前に年金事務所や行政の窓口で確認することをおすすめします。
70歳代での就労は、収入だけでなく、社会とのつながりや生きがいを求める側面も大きくなります。ご自身の体力や健康状態を最優先し、精神的な満足感を得られるような、柔軟な勤務形態を選ぶことが大切です。
経験値が強みになる一方で、体力と世代間ギャップが課題に
70歳代の保育士さんの最大のメリットは、長年の経験から培われた「危機管理能力」と「子どもを見る目」です。予期せぬトラブルにも冷静に対処でき、若手保育士への指導役としても活躍できるという強みがあります。
一方、デメリットとして避けられないのが「体力的な課題」です。子どもの抱っこや、かがむ動作、活発な遊びへの参加など、保育の仕事は予想以上に体力を消耗します。腰痛や膝の痛みに悩まされる可能性も高まるため、日頃からの体調管理が重要となります。
また、若い世代の職員との「世代間ギャップ」も生じやすい課題です。新しい保育観やICTを活用した業務への対応など、変化に柔軟に対応する姿勢が求められます。「昔のやり方」に固執せず、若手職員の良い点も積極的に学び取る姿勢が円滑な人間関係を築きます。
ご自身の体力に合った仕事内容を選ぶ、もしくは、園側と「体力的に負担の少ない業務に就きたい」と正直に相談することが、長く安定して働くための個別事情に基づいた重要なポイントとなります。
不安を希望に変えて、セカンドキャリアを充実させるために
70歳代での就労は、体力の不安や、若い職員とうまくやっていけるかといった人間関係の不安がつきものです。しかし、あなたの持つ豊かな経験と保育への情熱は、園と子どもたちにとって、かけがえのない価値を持っています。
不安を解消し、前向きに働くためには、まずは「年齢不問」「シニア歓迎」といった求人を探すことから始めてみましょう。また、人材紹介会社は、あなたの体力や希望に合わせて負担の少ない職場や働き方を提案してくれる良きサポーターとなります。
大切なのは、「完璧な保育士」を目指すのではなく、「今の自分にできること」で貢献するという意識です。メインの担任でなくても、あなたの存在がクラスの安定につながり、後進の育成にも寄与するという、別のやりがいを見つけることができます。
あなたの人生経験が、子どもたちの成長と園の発展を支える力となります。自信を持って、セカンドキャリアとしての保育士の仕事に、新たな喜びと充実感を見出していきましょう。
